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大正末期から昭和初期にかけて、中禅寺湖畔に国際的なリゾート

建設の夢を抱いて『東京アングリング・エンド・カンツリー倶楽部』を

創設し、建設に乗り出して、H・ハンターの最も輝いていた時代。

その夢路の跡を約2年ぶりに再訪しました。前回訪ねたのは、2003年

の初秋
でした。今回訪ねたのは6月に入って 梅雨間近な季節でし

たが、海抜1500メートル前後の中禅寺湖畔は、新緑が萌えアカヤシオ

やシロヤシオなど奥日光の春を告げる花が歓迎してくれました。



H・ハンターが中禅寺湖畔で根拠地にしていた西六番館跡にて。
西六番館公園として公開されている園内にも、トウゴクミツバツツジやシロヤシオが。



                            〔赤い線で示したのが今回訪ねたルート〕

H・ハンターのお気に入りで、西六番館の
シンボルでもあった居間の暖炉と煙突が
在りし日の栄華を。


西六番館のポーチから対岸の半月山と
半月峠、社山を望んで。
石造りのフェンスも当時のままに。

このポーチの下に船着場があり、東京アン
グリング・エンド・カンツリー倶楽部のVIPた
ちはモーターボートで中禅寺湖を往来。

湖水に乗り出すようにして咲いていた西
六番館跡のトウゴクミツバツツジ。辺りを
赤紫色に染めて。


オーガンディのように透き通った純白のシロヤ
シオ。アカヤシオ、ムラサキヤシオもあり、3種
を総称してヤシオツツジと呼ばれ、その気品
に思わず溜息が!
2泊3日滞在中、朝な夕なに足を運んだ
西六番館跡に残っている石造りの氷室。
6〜8月の倶楽部会期中は東京からコッ
クも出張して来ていたという。

菖蒲ケ浜で探しあてたH・ハンターの親友・
加賀正太郎の元別荘。こじんまりしているが
玉石で土台を築き、木の腰壁、ハーフティン
バースタイルの外観など、細部にこだわりが。

中禅寺湖畔に建てられている案内板には、
トーマス・グラバーとハンス・ハンターが鱒の
養殖・放流を手がけた功績が刻まれてお
り、H・ハンターを追い続けてきた私には
胸に込み上げてくるものが…。

5メートル先が見えないほどの濃霧の中、いろ
は坂をバスに揺られながらたどり着いた今回の
旅。夕立と雷雨にもあたふたさせられたが、
3日目の朝は男体山が全容を。



ヤシオツツジについて

今回の中禅寺湖再訪で初めてヤシオツツジを目にしました。
アカヤシオとシロヤシオ、ムラサキヤシオの3種があり、それ
らを総称してヤシオツツジと呼ばれ、栃木県の花に指定され
ています。アカヤシオはアカギツツジ、シロヤシオは五葉ツツ
ジの別名があり、どちらも葉の付き方がユニークで、5枚の
葉が下の画像のように輪生しています。


ヤシオの名前は白を意味する八汐に由来するとか。

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