サギゴケ (ごまのはぐさ科)

小川橋下流の堤では菫色の小さな花が地を這うように点々と咲いていた。目を近づけるとムラサキサギゴケだった。立ち上がり際に白い花も目に入った。おう、サギゴケではないか!指先くらいのサイズだが本当に白鷺がうずくまっているようだ。

純白かと思ったら下唇弁にうっすらと黄色い斑点が。図鑑で見た記憶通りだった。ムラサキサギゴケの1品種だとされているが、白いサギゴケが本種だとする図鑑もある。

いずれにしてもゴマノハグサ科の多年草で、本州以南の各地に分布。湿り気の多い草地や水田の畦などに生育して匍匐茎で苔のように地を覆うので、サギゴケの名称がつけられたようだ。

サギゴケもムラサキサギゴケと一緒に生殖していることが多いそうだが、上水堤で両方を見るのは初めてだった。卵形の葉には粗い鋸歯があり、唇型の花の大きさは1.5〜2センチで、4〜6月に開花する。

同じゴマノハグサ科でムラサキサギゴケに似た花をつけるトキワハゼは、匍匐枝を出さず花も一回り小さい1年草だが、温暖化のせいか春先から晩秋まで次々に開花。市街地では越年草化しているように思う。上唇の切れ込みが深いのがムラサキサギゴケとの見分けのポイントだ。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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