ムラサキサギゴケ (ごまのはぐさ科)

市街地の舗装道路のへりにまで繁殖しているトキワハゼに似ているが、唇弁型の花が大きめで青紫色が濃いムラサキサギゴケが咲いている一角があった。

日中でも日があまり当たらず湿りがちの地面に葉がびっしり広がり、4月末から5月にかけて10センチ足らずの茎先に直径1.5〜2センチ大の花が首をもたげている。

図鑑によると下唇の方には黄褐色のくっきりした斑点が2列に並び、上唇の先の裂け目が目立つのがトキワハゼとの見分けのポイントだそうである。

地面を這う匐枝(ふくし)という走出枝を出して繁殖し、苔のように地面を覆い、鷺の姿をイメージさせる花をつけることが紫鷺苔の名前の由来。本州以南の日本各地に分布する多年生草で、田の畦や林下などの日陰を好むそうだ。

白い花をつける種を単にサギゴケと呼び、紫色の花をつけるのはムラサキサギゴケと区別されているが、紫種は鷺のイメージにはほど遠いような気がした。

トキワハゼはほぼ年間を通して開花しているのに対して、ムラサキサギゴケはいつの間にか姿を消していた。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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