ジャノヒゲ (ゆり科)

隣家から忍び込んできた我が家のジャノヒゲに花が咲いていたので、もしかしたら上水堤でも…と足元に目をこらしながら歩いていたら、鎌倉橋上流右岸のジャノヒゲの群落の中に俯きながら開花していた。

北海道から九州、東アジアに広く分布する常緑の多年草で、樹林の下に自生するが、庭園や民家の庭の縁植えにも多く見られる。

その名前は密生した細い葉を竜の髭に喩えたそうで、秋から冬にかけて葉の根元に鮮やかなルリ玉のような種子を隠し持っている。

一見果実に見えるが、ヤブラン属やジャノヒゲ属は花の後、胚珠が膨らんで子房の壁を破って露出させるので、コバルト色の玉は実ではなく種子である。

花はヤブランヒメヤブランに似ていて見分けがつき難いが、ヤブランは花穂にたくさんの花が上向きに咲き、ヒメヤブランの葉はより細く柔らかで、葉の形状に違いで見極めるしかないように思う。

別名リュウノヒゲ(竜の髭)、コバルト色の種子を子供が手製の竹筒鉄砲遊びの玉に使ったことからジュウノタマ、又はリュウノタマとも。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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