ヒメヤブラン (ゆり科)

比較的日陽りのよい樹間に、淡い紫紅色の花が高さ5p程の花茎の上部に5〜6輪ほど咲く。

1輪の花の大きさは0.3p前後で、足下にこの花が咲いているのに出会うと、ハッとして思わず足を止めてしまう。

花は花茎から斜め上を向いて精一杯その美しさと存在を示し、小さいながらも自らを誇示しているようだ。

ジャノヒゲという野草に似ているが別属で、葉の巾は狭く葉丈も短い。花の色もジャノヒゲの花より淡く清楚であり、何よりも大きな違いは増殖の仕方である。

ジャノヒゲは1株の株を大きくしていく殖え方であるのに対し、ヒメヤブランは地下で横走枝を出して殖えていく。

ヒメと言う冠名が付いているようにヤブランと同属ではあるが、その受ける印象は随分異なり、小さく豆雛のような愛らしさが見る者の感覚の中で大きくふくらむ。


花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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