国内最大規模の緩速ろ過式施設・境浄水場 |
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昭和30年頃:手前の植え込み付近が正面入口 |
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平成年代:境浄水場内施設はあまり変化がないが
周囲は大きく変貌。ろ過・沈殿池の背後に見える
のは吉祥寺商店街のビル
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境浄水場正門
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玉川上水と平行して伸びる
境浄水場のフェンス |
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玉川上水桜橋左岸から下流に沿って黒い鉄柵で囲まれた広大な敷地に広がる東京都境水道局の境浄水場。
東京の近代水道拡張事業として村山・山口貯水池の建設と平行して設けられ大正13年から始動。羽村第3水門から村山・山口貯水池に送られプールされた水を地下の導水管で、境浄水場に送り沈殿・ろ過・殺菌処理をして和田掘給水所から千代田・渋谷・世田谷区などに給配水している。
約21ヘクタールの敷地に86.7m×54.3m、深さ2.5〜3mのろ過池が20面。1日最大施設能力31.5万立方メートルとされているが、開設80年余を経た今日、老朽化が進んでろ過池の大規模な改修工事が行われている。
ろ過池では下から玉石、砂利、砂を重ね敷いたろ過層(0.9m〜1.5m)の上に張った水が、ゆっくりろ過層を通過。
その速度は1日4〜6メートルで、ゆっくりと自然に通過する間に浮遊物が取り除かれ、バクテリアなどの微生物が汚れを分解して、水質のよい美味しい水になる。
このような砂ろ過による方式が緩速ろ過だが、広大な敷地を要する上に、浮遊物やバクテリアなどの死骸などで砂層が目詰まりするため、25〜40日に1回は上部の砂を削り取る作業の労力がかかる。
そのため薬品で不純物を除去して、塩素殺菌する効率的な高速ろ過方式を採用する浄水場が東京都でも主力になっている。
東京都の浄水施設
東京都の水道水源・給水マップ
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改修工事中のろ過池
2007年2月撮影
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桜橋北詰め左岸にひっそり
佇む国木田独歩文学碑。
武蔵境通り・桜橋の拡張工事で
一層目立たなくなった。 |
◇国木田独歩文学碑:独歩の代表作『武蔵野』の冒頭の一節が刻まれた碑で、高さ60センチ、幅76センチの根府川石製。独歩の50年忌を機会に柳田國男、丹羽文雄などが世話人となって昭和32年10月建設。碑文は野田宇太郎の書。 |
マップ参照 |