昨年の11月ハンター住宅跡周辺を探訪してみました。JRまたは阪急三宮駅から東門筋を

抜けて中山手通りを渡ると、正面が北野坂。北野坂から50メートルほど西側の坂がにハン

ター坂。レンガ造りのいかにも神戸らしいムードの『にしむら珈琲』の前にハンター坂を指し示

すブロンズの標識が建っていました。


  


ハンター坂の車道は乗用車がやっと擦違えるくらいの道幅で、北野坂に比べて華やかさ

はありませんが、レトロな雰囲気が漂い落ち着いてウィンドショッピングが楽しめます。

異人館通りから先は結構急坂に。異人館通りの上を走る北野通りの角のスーベニール

ショップ『
エイプリルフール』のマダムは、この土地に来て50年になるそうで、ハンター住居

跡について訊ねたら即座に教えてくれました。“エイプリルフール”でかつがれるのではない

かとがちょっと気になったけど…。



ハンター坂を上り詰めた辺りの高台がE・Hハンターの屋敷跡。


日露戦争が終結した翌明治39年(1906)にE・Hハンターはこの土地にあった

和風住居に隣接して洋館を建設。元トーアホテルのあった場所に建っていたド

イツ人貿易商A・グレッビーの旧宅を買い取り移築改造した。移築に際して土

木工学に詳しい嫡男龍太郎が監督して、石造りの堅固な基礎を築き、木骨

レンガ造り一階約243平方メートル、二階約265平方メートルに一部塔屋が

ついた威風のある洋館を完成させました。

背後に市章山や堂徳山の山裾が広がり、神戸港を見下ろすこの邸宅でE・H

ハンターは趣味のハンティングも楽しみ、熊撃ちの名手であったそうです。




神戸市王子動物公園に移築されている旧ハンター住宅





外壁の裏側に回ってみると神戸市
伝統的建造物指定の鑑札が取り
付けられていた。
右手の石積みの塀が元ハンター
屋敷の外壁。

ハンター屋敷跡から三宮・神戸港を
見下ろす風景。電柱や高層建築
に遮られて往時茫々なり。


旧ハンター屋敷跡から目と鼻の先にある北野異人館にも足を伸ばしてみました。

相変わらず観光客に人気のスポットで、それらしく建築した“新興の異人館ショップ”

も目立ちました。阪神淡路大震災で半壊したまま放置されている異人館も。『
エイ

プリルフール
』のマダムによると、再建の目途が立たなかったり、観光地化して古くから

の住人には住みづらくなり、手放して転居するケースも多いそうです。




人気ナンバー1の風見鶏の館

ドイツ人貿易商G・トーマスが自
邸として建てた建物で、 鮮やか
な煉瓦の外壁と風見鶏がマッチ
国指定重要文化財。


木造下目板張りの萌黄の館

神戸総領事を務めたハンター・シャープ氏
の建てた住宅で、国指定重要文化財。




クリーム色の外壁のラインの館

大阪造幣局のお雇い外国人だったJ・R
ドレウェルの夫人が大正期に建てた建物
神戸市指定伝統的建造物。