ヤマノイモ (やものいも科)



自然薯の 逃げて波うつ 藪畳    川端 芽舎

別名、ジネンジョウと言われるこのつる性の多年草の根は、地中に直下し多肉な円柱形で、ヤマカケやとろろ汁として使われ、おなじみの食品である。

山の芋の名は畑で作られる里芋に対する名前としてつけられたもののようで、別名のジネンジョウ(自然生)も、栽培種のナガイモに対する名のようだ。

長く伸びる茎は右巻きで、近くのものに巻きつき先の細いハート形の葉は、2枚の葉が向い合ってつく対生で付け根の基の部分はハート型である。

葉のわきに雄花と雌花が分かれてついている。雄花は葉の脇から2本程立ち上がった穂に小さな球状の白い花を多数つける。雌花は葉脇から垂れ下がって咲く。

秋になると葉脇にムカゴ(珠牙)をつける。幼い項、秋の日にムカゴや翼をもつ果実を目安にして、日の暮れるのも忘れて根芋堀リをしたことを、このクリーム色の花穂で思い出す。

同じ仲間で葉も似ているオニドコロがあるが、ヤマノイモは葉が対生しオニドコロは互生している。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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