ヤブタビラコ (きく科)

小金井市橋下流の上水堤で、群生しているニホンタンポポとはまた違った風情のキク科の花がナヨナヨと咲いていた。

草丈は30センチ前後、茎もロゼット状の葉の先も丸みをおびて、色も姿も優しげでなヤブタビラコの花であった。

そもそもタビラコ(田平子) とは水田にロゼット状葉を平たく広げる様子を指し、その名がつき黄色の花をつける野草にはコオニタビラコ(小鬼田平子)、舗装道路の縁でもよく見かけるオニタビラコ(鬼田平子)があるが、コオニ…は草丈が20センチぐらいで地を這う傾向があるのに対して、ヤブタビラコの茎は立ち上がりながら上部でまばらに分岐し直径1センチ前後の頭花をつける。

花びらに見える舌状花もコオニ…は6〜9個だが、ヤブ…は20数個と八重状。オニタビラコは草丈が1メートル近くにもなり、直径6〜8ミリの頭花を多数つける別属である。

ヤブタビラコは日本全国、朝鮮・中国に分布する越年性の1年草で、舌状花は内巻にカール気味でまばらに咲き、花が終わった後が丸い玉のようになって下を向くのも愛らしい。種子にはオニタビラコのような冠毛がない。なお、春の七草の一つホトケノザは本来はコオニタビラコであるという。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月
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