ヤブカンゾウ (わすれぐさ科)

ノカンゾウに混じってヤブカンゾウ(藪萱草)が開花し始めると上水堤は夏本番を迎える。

ラッパ型の一重のノカンゾウの花に対して八重のヤブカンゾウは重厚で赤橙色も濃いめである。

どちらもワスレグサ科の多年草だが、ヤブカンゾウは中国原産の史前帰化植物で、食用に栽培されていたものが野生化したせいか、人家近くの草地などに多いという。

またヤブカンゾウは三倍体といって基本の染色体数の三倍の染色体数をもち、四倍体と二倍体との交雑によって生じるので、結実しないそうだ。

同じ仲間のキスゲは花が横向きに咲くが、ノカンゾウとヤブカンゾウは朝、上向きに花を開き夕方にはしぼむ一日花。しかし、花茎の先に幾つも蕾がついているので、日ごとに咲き代わって目を楽しませてくれる。

若葉と花は食用になり、乾燥させて保存食にも。また、利尿剤として民間薬として利用される。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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