タチイヌノフグリ (ごまのはぐさ科)

4月も半ば過ぎるとオオイヌノフグリの草丈も伸び、もしかして図鑑で目にしたタチイヌノフグリではないかと、立ち止まるのだが…。

ある日、オオイヌノフグリの付近にチマチマした花らしきものを葉陰から覗かせている野草に出会った。同行の友人が「それがタチイヌノフグリよ」。友人が一緒でなければ気がつかないまま通り過ぎていただろう。花は半開きであった。

同じゴマノハグサ科で同じような姿の花をしたものにオオイヌノフグリ、イヌフグリ、タチイヌノフグリがあり、オオイヌ…とタチイヌ…はユーラシア原産で明治初期に渡来したと言われる。古来のイヌノフグリ似た帰化植物フラサバソウも最近殖えているそうだ。

花の大きさはオオイヌに比べて大人と幼児くらいの差ほど小さく目立たないタチイヌノフグリ。草丈は10〜20センチ、下部では分岐するが上部は枝分かれせず全体に毛深い。直立して茎の上の方の葉は次第に小さくなって、特に花のついている花序のあたりでは葉先が尖って苞になっている。

頭頂部の葉の付け根に直径3ミリ前後の花をつけるが、晴れた日のお昼前後しか開花しないそうで、目立たない一因にもなっている。オオイヌ同様に日本全土に繁殖し、乾燥した荒地に生育する傾向が強い。犬の陰嚢を連想させる実をつける二年草。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月
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