タシロラン (らん科)



喜平橋下流2ヵ所に数株ずつ開花していたタシロラン

友人から“タシロラン”という珍しいランが開花していると連絡を受けて駆けつけた。喜平橋下流で白い茎に半透明の白いミニクラゲがぶら下がっているような不思議な姿をしていた。

茎丈は20〜30センチ、10数個段咲きになっている花の径は1〜2センチ。花の基部に大豆粒くらいの子房を蓄えているのが珍しい。白一色に見える花びらを超接写で撮ると、赤紫色の斑点が微かにあり、妙味をさらに感じさせられた。

図鑑によるとマヤランと同じく照葉樹林の暗い林床に成育し、光合成をしない無葉の腐生ランで、地下部は菌根となり特異な生殖スタイルを持っているが、詳細は未だ解明されていないとのこと。

自生地はオーストラリア、マレーシア、インドシナ、中国南部、台湾で、日本では九州、沖縄地域と神奈川県三浦半島、和歌山県、高知県などに極限され、和名は発見者の田代善太郎氏の名前から田代蘭とつけられている。

環境庁では絶滅の危険性がある「危急種」に指定しているが絶滅危惧種に近いそうで、玉川上水堤で開花したのはビッグニュースかも!

人の手で植えられたとは考え難いので何故?如何にして?とミステリアスな出現だ。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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