ハハコグサ (きく科)



老いて尚 なつかしき名の 母子草  高浜 虚子

春から夏にかけて、道端や上水上手の端でよく見かけるハハコ草の名の起源には、いろいろな説がある。

葉の白毛が歯の垢に似ていると歯垢草、また、乳児の舌の白いのに似ていることから母子草。

若葉の頃の形を這う児に見たてたハウコグサ、古くは、白い布を縫って幼児の枕もとに置く守り人形ホオコに似ているとホオコグサなど。

左の句は、高浜虚子の心にホオコグサがあったのではないかと感じられる。

早春の項、1株から枝分れした数本の茎、互生する淡い緑色の葉は表裏とも、柔らかい産毛覆われて全体が白っぽく見える。

球状の頭花は、小さな黄の筒状の花がたくさん集まり、スクランブルエッグのようにモワモワ咲いている。春のさきがけに咲き始める可愛いらしい黄色の花だ。

チチコグサという野草もあり、ハハコグサと似ているというが、玉川上水のほとリではチチコグサモドキの方が幅をきかせている。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

     50音目次へ
Copyright (c) 2005-上水事典サイトの会