ギシギシ (たで科)

この野草の同属スイバは、春先、地上に芽を出したばかりの赤い茎を食べて、ほどよい酸っぱさを楽しんだ子供の頃の懐かしさは、多くの人の心に残っているが、ギシギシの名や姿はあまり残ることがない。

新堀用水べりにギシギシの姿を見るとき、どうしてもスイバとの相異を強く感じてしまうが、田や畑の畦道、湿り気の多い道端の野草としてのギシギシは、それなりに野草としての存在を示していると思う。

スイバの葉はあまり葉柄がなくて、葉が直接茎を抱く感じであるが、ギシギシは葉柄が発達していて茎を抱く形となる。

ギシギシは背丈も50〜100センチと高くなり、根は太く黄色。葉はその縁が大きく波をうって巨大な葉をいっそういかめしく見せ野性的である。

花はその名前のようにギシギシして花らしくないが、茎先の節々に多数密集して穂状になる。よく見ると花穂の中には葉がさし込んだように入っていて、苞が葉の形態になり花が群がるように咲いている。

黄色の根は、皮膚病の薬として用いられる。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月
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