スイバ (たで科)



雌花穂(小平団地で)

スカンポとも呼ぶこの野草の名に限りなくなつかしい響きを感ずるのは幼い項、春の野辺で摘草をして遊んだ思い出が甦るからであろうか。

地上に芽を出したばかりの見るからに柔らかそうで、赤味を帯びた太い茎を手折り塩をつけてかじると、口の中に強い酸味が広がった。

今でもスイバの呼び名を聞くだけでロの中で唾液がたまるようで、名前そのものが酸葉である。
そんなスイバを、今、玉川上水べリでは見つけることすら難しくなっている。

茎の先端で赤橙色に染まっていることが多いスイバの花は、円錐状に花穂が集合している。全体に赤味をおびているのは雌花穂で雄花穂は白っぽい。

ひとつの花を見ると萼が6枚あって花弁はなく、雄花には6本の雄しべがあり、黄金の葯を下垂させている。雌花には3本の雌しべがあるが、その先端は細かく裂けて紅紫色を帯びている。

同属のギシギシは緑白色のものが多めで区別はつけ易い。この野草は雌雄別株であり、ベニシジミ蝶の食草でこの草に産卵に来る。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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