アキチョウジ (しそ科)

10月上旬、喜平橋〜小桜橋間の堤でほっそりした唇弁型の淡青色の花が咲き始めた。昨秋、鷹の橋下流付近で見たセキヤノアキチョウジ(関屋の秋丁字)に似ているが、花柄が短く対生した葉も幅広くて趣が違う。

図鑑をあれこれ調べてみたところ、本州中部以西に分布するアキチョウジに違いない。岐阜県辺りを境として中部、関東地方に自生しているのはセキヤノアキチョウジとされるが、この日に出会ったのはアキチョウジ(秋丁字)の可能性が高いと思う。

何故、ここに植わっているのか分らないが、10数本が淡いブルーの繊細な花を秋風に揺らせていた。山地の木陰に生えるシソ科の多年草で、茎丈は40〜50センチ、茎頂や葉腋から花穂を出しているが、産毛のある短い葉柄の先につけた花の径は5〜10ミリで長さは2センチ足らず。

セキヤノアキチョウジに比べ花をまばらにつけており、萼片が三角おむすびのように尖っているのが特徴。秋に丁字形の花を付けることが名前の由来だそうだ。セキヤノアキチョウジの“関屋”は箱根の関所付近に多く自生していたことから、その名が付けられたという。

意外な野草に出会えるのが玉川上水の堤である。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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