セキヤノアキチョウジ (しそ科)

10月下旬、上水沿いの既存樹林の片隅で青紫色のほっそりした唇型の花が目に止まった。

草丈は50〜60センチ、枝先や対生した葉腋から細い花枝を出して数個の花が樹陰の下で咲いていた。鮮烈な青紫色の花は長さ2センチぐらいで、径は5〜6ミリ。上唇がめくれて尖っている。

図鑑で調べたところアキチョウジ(秋丁子)かセキヤノアキチョウジ(関屋の秋丁子)らしい。どちらか判別がつかなかったが、アキチョウジが岐阜県以西に自生しているのに対して、中部・関東地方に自生しているのはセキヤノアキチョウジが主流とか。

箱根の関所の番小屋付近に多く見られることからセキヤ・・・の名称でよばれるが、狭卵型の葉先と花の上唇が尖って、葉に毛がないのがアキチョウジとの違いだそう。

両者とも丁子の蕾を乾燥させた香料(グローブ)の形に似ていことが名前の由来。何気なく分け入った樹林でこの青紫色の花に出会えた喜びはひとしおだった。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月
     50音目次へ

Copyright (c) 2005-上水事典サイトの会