ゼニアオイ (あおい科) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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鴨の子を盥(たらい)に飼ふや 銭葵 正岡子規 |
梅雨の前後から薄紅色の花弁に濃赤紫色の筋が入ったゼニアオイの花を、上水堤でも数カ所で目にした。大人の肩ぐらいの草丈に目にしみるような緑の波打った葉を茂らせ、5弁の花が下から咲き上がっていく姿は、美しくたくましい。 ヨーロッパ原産で中国を経て江戸時代に渡来。中国の古書にはゼニアオイの花の大きさが五銖銭(ごしゅせん)と同じくらいの大きさだという記述があり、日本では銭葵と呼ばれるようになったとされている。 徳川家の家紋にも使われている葵そのものは、葉や花が向日性で太陽を仰ぐことから「仰ぐ」⇒「あおい」ということでアオイと呼ばれるようになったとか。 葉と花には呼吸器疾患などの薬効があり、16世紀のイタリアでは、ゼニアオイは全ての病に効くという意味の「オムニモービア」という名前が与えられていた。 江戸期には観賞用に栽培されていたが、強健で野生化。近年では路傍や空き地でその立ち姿をしばしば見かける。 |
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