ユズリハ (ゆずりは科)

 

楪(ゆずりは)の世阿彌まつりや青かづら 服部嵐雪
枝先に輪生した長楕円形の艶やかな葉と紅紫色の葉柄に特徴があり、上水木立の中でも目立つユズリハも喜平橋から小金井橋にかけて数本ある。

そのユズリハが新芽を覗かせ始めた枝先に紅紫色の花穂を掲げているのに始めて出会った。

図鑑によると雌雄異株で紅紫色の花穂は雄花穂で、前年の葉腋から長さ5センチくらいの花柱を出し、花弁も蕚もない顆粒状の花をたくさん付けている。

雌花をつけている株は辺りに見当たらなかったが、2つに分かれた柱頭の根元には緑色のフリルのあるユニークな姿をしているそうだ。株数の少ないエリアでは結実することはまずないが、雄花穂は威勢よく花穂を輝かせていた。

常緑樹のほとんどは新しい葉が育つと古い葉が落ちていくがユズリハは若葉が十分生育してから古い葉が一斉に脱落して新旧の世代交代をする。その特徴から和名を譲葉と書き、子孫繁栄を願う縁起ものとして正月の三宝飾りなどに使われ、万葉集や枕草子にも登場する古来からの樹木である。

福島県から沖縄にかけて分布する常緑高木で、かつてはトウダイグサ科に分類されていたが、現在はユズリハ科に類されている。

 
花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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