ヤマタツナミソウ (しそ科)

踏まれてしまいそうな場所に一株だけタツナミソウらしき花が咲いていた。

ツツジやウツギなどの低木の下で日当たりも悪いせいか、草丈は20センチあまり。前日の雨で返り土を浴びて、淡青紫色の唇弁型の花も汚れていた。アップで撮ると見るに耐えないほど土黒子(ほくろ)が。

図鑑やネットで検索したところ、花の付き方や葉の形からヤマタツナミソウのようだ。タツナミソウの名前は花の咲き方と模様が「泡立つ浪」を連想させるからだという。

たしかに北斎の富嶽三十六景の「神奈川沖浪裏」の波の絵を彷彿させられる。

ヤマタツナミソウは山地の木陰などに生える多年草で、卵状三角形の葉は柄があって対生し、鋸歯がある。茎の先端部の長い花序に一方向に唇弁型の花をつける。花期5〜6月とのこと。

同じような環境でほぼ同時期に花をつけるオカタツナミソウは花穂がずっと短い。同属のコバノタツナミソウは上水堤でも数カ所でモコモコ咲いているのを見かけた。近隣の庭先にも多く見られる。

この1株のヤマタツナミソウが来シーズンも見られるだろうか。再会できたら是非アップで撮ってみたいと思いつつ…。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

     50音目次へ

Copyright (c) 2005-上水事典サイトの会