ヤマグワ (くわ科)

梅雨時になると上水堤の所々が赤黒く染まっていることがある。近づいて見るとヤマグワの実が熟したまま落ちて雨に打たれ土を染めているのだった。

その光景を何度か見て来年こそは花も見たい…と。積年の思いで今春(2006年)の4月下旬にヤマグワの花を目にすることができたが、目立たない花でしかも足場が悪くてボケボケながら数カットをカメラに。

図鑑によると雌雄異株で出会ったのは雄花のようで、7〜8センチの花序に5ミリ足らずの淡黄緑色の花が多数房状についているが、花弁はないそうだ。稀に雌雄同株もあるとのこと。

ヤマグワはただ単にクワとも呼ばれ、カイコの餌として盛んに栽培てきたが、朝鮮・中国からヒマラヤまで広く分布する落葉高木。明治初期以降砂川から小平一帯も桑畑が広がり、小平市中央公園は蚕糸科学研究所の跡地である。

上水堤にも植えられたものか実生から発芽したものか、クワの木がまだ健在で、特に八左衛門橋右岸には見上げるような大木があるが、「・・・桑の実を小かごに摘んだはまぼろしか」といった情景そのものも幻に。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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