ヤマボウシ (みずき科)

9月の半ば過ぎだったか、上水沿いの一角でヤマボウシの実が朱赤に熟して、枝葉の上から覗いていた。直径2センチ弱の球形の実には、サッカーボールのような亀甲模様が入り、熟れる当初は上向きにつくのがユニークだ。食べられるそうで、口に含むとマンゴーに似た風味がした。

それで梅雨前に撮ってあった花の画像を思い出した。白い菱状の花弁に見えるのは総苞で、中心部の球形にかたまった濃緑色のポチポチの一つ一つが花だそう。この丸い花穂が坊主頭に見え、総苞を白い頭巾を連想させることから山法師の和名が。

初夏の風にヒラヒラとそよいでいたヤマボウシの花は、小鳥が羽ばたいている姿にも見えた。同じ科のミズキやアメリカヤマボウシ(ハナミズキ)の花に似ているが、より素朴で花期が1ヵ月ほど遅い。

ヤマボウシは本州から九州に分布するミズキ科の落葉亜高木で、朝鮮から中国にも分布。街路樹や公園樹にもよく見かけるが、本来は山地の谷あいなどに生育。中国名では「四照花」と称され、枝いっぱいに花が咲いた時に四方を照らす様を表現している。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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