ワルナスビ (なす科)

手入れの行き届いた生垣や花壇の間にも侵入して花を咲かせているワルナスビ。招かれざる存在だが、花茎を摘み取ろうとしても蝿取り紙のような粘っこい葉や茎が邪魔をする。

北アメリカ原産の帰化植物で、茎には鋭い刺が生え葉にもごつい星状毛が密生しており、強靭で人の手を寄せ付けない。また強力な地下茎が地中深く四方に張り出して、どうにも手に負えない上に利用法のない植物であることから、牧野富太郎植物学博士がその名を付けたそうだ。

上水の下草の間にも爬虫類の如くくねくねと茎葉を伸ばして、梅雨時から茄子そっくりの花を咲かせ始めた。

茎の途中から太い花枝を出して,先端に径約2〜3センチの白または淡紫色で先が五裂した花の中央に、鮮やかな黄色をした雄しべの葯が目立つ。6〜10個集散状についた花は盛んに昆虫を呼び寄せている。

人間にとっては始末の悪いワルナスビも、昆虫たちにとってはギブアンドテイクで、短い命を支え子孫を残す営みに寄与しているのだろう。人間の方が選り好みが激しく身勝手な生き物であるのかも・・・。

しかし、別名もオニナスビとそのものずばり。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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