ウラシマソウ (さといも科)

晩秋に下草刈りがされた左岸の堤で、破れ傘のような葉の下に7〜8センチ丈ぐらいの花芽らしきものが覗いていた。

まさか・・・話しに聞いていたマムシグサかしら。近づいて見ると、マムシグサなどサトイモ科の花の特徴である仏炎苞が認められたが、長い鞭状の突起物が放物線を描いていた。

図鑑で調べる一方、小平市玉川上水を守る会の織田雅雄さんにも確認してもらったところ、サトイモ科テンナンショウ属のウラシマソウ(浦島草)だった。織田さんも初めて見たとのこと。

仏炎苞に包まれている肉穂花序の先が細長く伸びている姿を釣り糸に見立てて名づけられたそうだ。

定期ウオッティングを始めて3年目で巡りあった興奮でドキドキしてしまった。一週間後にはさらに丈が伸び仏炎苞が緑色をおびて特徴もはっきりしてきた。

ウラシマソウは本州、四国を中心に北海道と九州の一部に分布する宿根性の多年草で、日陰を好みやや暗い林中などに自生が認められるが、日照不足でも開花しにくいそうだ。

また雌雄異株だがテンナンショウ属は栄養状態で性転換するのも特徴で、このウラシマソウの雌雄はまだ不明。全草有毒植物なので触らぬ神に祟りなし。そっと見守りたい。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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