ウド (うこぎ科)

くぬぎ橋下流の農地で、ウドの花が9月から咲き始め、10月末には満開になった。小さな淡緑色の花を直径4〜5センチの球形に咲かせ、その花穂が一面に広がっていた。

花穂をアップで見ると、つまみ細工のボンボリみたいに精巧で見事なオブジェだ。

かつては小平を代表する農産物でもあったウドだが、上水沿いの農地でその栽培地が見られることも少なくなった。暮に根を掘り起こして地中深く掘ったムロに埋め、その新芽を“もやし栽培”したのが春先に出回る『うど』。『軟化うど』と称され家康のお声係で江戸城に近い武蔵野周辺で栽培が始まったそうだ。

1年で1.5〜2メートルにも成長するので“ウドの大木”と、図体だけが大きく役に立たない喩えにされるが、木ではない。ウコギ科の多年草で、大きくなると食用にも木材にも適さないことから喩えにされたと言われている。

ウドは日本原産で通常は山野に自生しているのはヤマウド、栽培種は単にウドと区別されていることが多い。

ウドの根を漢方で独活(どっかつ)と称し発汗、利尿効果があり、漢字で独活と書くのは、この漢名による。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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