ツワブキ (きく科)



石蕗の黄に心せかるる何やかや  阿部みどり女
庭園や民家の庭で見ることが多いツワブキだが、元々は本州の石川、福島県以西、四国、九州の海辺に近い岩場は林の下などの湿潤地などに自生しているれっきとした野草である。

城ヶ島や油壺海岸の崖に多数咲いているのを見かけた。戦後の食糧不足の時代に蕗の代用として食べた経験のある人も。アクが強いが腫れものや湿疹、打ち身などに薬効があり、漢方薬にも用いられている。

玉川上水の堤でも住宅地と接している東鷹の橋から上流付近にかけて多く見られる。

晩秋から年末にかけて花の少ないシーズンに、長く伸びた花茎の頂部に濃い黄色の舌状の花びらからなる頭花を開花。冬の花として愛されている。

葉は初めは灰褐色の綿毛に覆われているが、葉柄が伸びるにしたがって無毛になる。

光沢のある濃い緑の葉に黄褐色の花がマッチして、大人の色気というか、味わい深い情緒がある。園芸種には多数の品種があり、斑入りの葉もある。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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