キリシマツツジ (つつじ科)

小金井公園正門付近から貫井橋にかけて両岸に100数本のツツジの大木が植わっている。ひと頃に比べて衰えは目立つものの、畳2〜3枚分くらいに枝を張ったツツジが開花すると、辺り一面が赤い炎に包まれたようになる。

これらのツツジは上水の南側にある浴恩館公園(小金井市緑町3−2−37)内の同市天然記念物のツツジ群とほぼ同じ樹齢で、同時期に植えられたと聞く。

昭和3年に京都で行われた昭和天皇の即位式の更衣所として使われた建物が、日本青年館分館として浴恩館と名づけられて移築されたのは昭和5年。

江戸天保年間からツツジの栽培地として名を馳せてきた大久保のつつじ園(現在の新宿区)から求めたキリシマツツジ系を主とした苗木を、園内と上水堤に植えたそうだ。

上水堤の山桜が葉桜になる頃、ツツジは赤く燃え始める。ことに本霧島種は朱赤色の小さめの花が樹全体を覆い尽くして見事だ。

浴恩館は昭和6〜12年青年団リーダー養成の講習所として使われ、『次郎物語』の作家下村湖人が講習所長を。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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