ツリガネニンジン (ききょう科)

薄紫色の釣鐘型の花が上水の堤で揺れる頃になると、残暑の日差しの中でも秋を感じる。茎の高さは40センチから1メートルに達する。

その茎に可憐な釣鐘が数段咲きになっている風情は、目を和ませてくれ、散策の足取りも軽くなる。涼風を肌にも感じさせてくれるようだ。

和名は釣り鐘状の花が咲き、大きな根が朝鮮人参に似ていることに由来したという。

根生葉は丸く、長い柄があるがその後に伸びた茎に付く葉は楕円形の葉となり、葉柄 はほとんどなくなり、3〜4枚の輪生となる。

顎は細くて糸状であり、雌しべは釣り鐘型の花から少し突出している。花が 開いた直後の雌しべの先端はカプセル状であるが、その後先端 は3つに分かれてかわいく膨らむ。

若い茎は柔らかく、トトキと称して山菜として食用される。山菜を賞でる俗諺に「山でうまいはオケラにトトキ、嫁に食わすはおしうござんす」とうたわれ、かつてはご馳走であったようだ。トトキはとっておきの意味である。
花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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