タチツボスミレの閉鎖花 (すみれ科)

おやおや何だろう!鋸歯のあるハート型の葉の上に水滴にも見える蕾らしきものをつけた植物に足が止まった。草丈は20〜30センチで、桜橋のたもと付近には20〜30株以上あるのに、どれ一つとして蕾状態のまま開花していない。

植物図鑑を丹念にめくっても該当する植物が見当たらない。インターネットの『花の名前質問掲示板』に問い合わせた結果、「タチツボスミレの閉鎖花でしょう」とのこと。

スミレ仲間は春は花を咲かせて、その花粉を媒介して種子を結ぶが、それ以降の季節には蕾はつけても開花せず、閉じたまま種子を形成する閉鎖花をつけるそうだ。閉鎖花の大きさは5〜10ミリ前後が多い。

アスファルトの割れ目にもスミレがどっこいと根を下ろしているのをしばしば見かけるが、可憐に見えてもスミレはたくましく、夏から秋にかけても閉鎖花で繁殖しているのをご存知でしたか?

春のシーズンと違って草丈も高く、葉も大きめで同じスミレとは思えないが、効率的な繁殖能力を遺憾なく発揮している。上水堤には淡い緑がかった閉鎖花を抱えたタチツボスミレが多く見受けられる。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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