タチツボスミレ (すみれ科) | |||||||||||||||||||||||||||||
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郷愁の身を屈めをり花すみれ 老川敏彦 |
5月から6月、若葉もえる上水土手に、畳3枚程の広さでタチツボスミレの花が大群落で咲く個所が3個所ばかりある。その名前は大工道具の墨入れが名前の由来とか。 スミレ科の種類は多種あると聞いているが、上水土手ではほとんどタチツボスミレで、時折りツボスミレが見られる。 タチツボスミレは寒さに強いと言われるが、上水土手では落葉が適当な防寒具となり、冬の間も頭を少しとがらせた丸形の根生葉は緑色を蓄えたまま、落葉の下でひっそりと寒風をしのいで春を待っている。 幼い項、スミレの花の花柄をつけて摘み、5弁の花の下側の唇弁の距といわれるスミレ特有の形の部分を、両方から互いにからませて引っぱり合い、距の部分がそぎ落ちる早さで勝負したスミレ相撲が思い出される。 |
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