シャガ (あやめ科)



紫の 斑の仏めく シャガの花    高浜 虚子

花の形が蝶の舞を連想させることから、別名を胡蝶花といわれるこのシャガの花は樹林の中でもたくましく咲き、群生して木陰で浮き上る白色の可憐な姿は見ごたえがある。

近づいて花を眺めて見ると直径は5p前後で、花被片の地色はほとんど白であり、外花被片の中央にややオレンジがかった黄色の斑紋があって、とさか状の突起となっている。

そのまわりに青紫色の斑点をちりばめており美しい配色である。俳句の世界では『著莪』と書くそうだ。

剣状の光沢のある濃緑色の葉は常緑で、群落となり上水土手に枯草とならない空間を作り出し、ちょっぴり深山の感じを味わせてくれる。

シャガの花は秋になっても結実しない不稔性であり、日本各地でもそのようで、繁殖は地下茎を横に伸ばしながら株を殖やしていく。


古い時代に日本に中国から持ち込まれた植物であるとされている。


花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

     50音目次へ
Copyright (c) 2005-上水事典サイトの会