スズメノヤリ (いぐさ科)



果実化したスズメノヤリの穂

久右衛門橋のたもとで一見カヤツリグサに似ているが、違うタイプの球形に近い花穂をつけた新顔に出会った。これまで目に入らなかったのが不思議なくらい常に歩いている場所だ。

20センチ前後の花茎のてっぺんに3センチぐらいの茶褐色のクス玉みたいな穂をつけてひょうきんだ。アップで撮影して見ると、穂には亀の子たわしのような粗い剛毛が目立つ。

図鑑では判別できなくてインターネットの『草花質問掲示板』に問い合わせた結果、花から実になりかけたスズメノヤリの穂だろうとのこと。もう少し早く気がつけば…と残念だが来春の宿題にして実になりかけた穂で我慢することに。

スズメノヤリは日本全国から東南アジアにかけて分布する多年生草で、葉はイネ科のように線形であるがイグサ科の仲間だ。春に10〜30センチの花茎を出し、茎頂に1つの集まった花穂を付ける。そのクス玉状の穂を大名行列の先頭で奴さんが振るっている毛槍に見立て、雀の鉄砲同様に小さいことから雀の槍と名づけた古人の喩えには感心しきりだ。

個々の花ははっきりしないが、六枚の花被がある。花被は先がとがった楕円形で紫褐色を。花被が開くと中からは黄色くて大きな葯が顔を見せるが、雌しべが先熟した後、雄しべが成熟して葯を伸ばして目立つようになるそうだ。線形の緩やかにカーブした葉の縁にも蜘蛛の糸のような白い毛があるのが特徴とされている。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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