スズメノテッポウ (いね科)

15センチ前後に伸びたやわらかい茎葉から、5センチ程の細い円柱形の花穂を林立させたり、あるいは2本、3本であったリと。

セリガヤ、カズノコグサ等と混ざって、日陽りのよい新堀用水べりにこのイネ科の越年草を見る。

スズメノテッポウの種類には、水田型と花穂のやや小さい畑型とがあるが、上水堤では畑型で草丈は20〜30センチである。

この野草の名からの連想は、草原にひそんで雀が近寄るのを待って構えているテッポウに見えるというのだろうか。昔の人々のユーモアを感じられるその名前は一度聞くと忘れられない。

花穂は細く緊密な円柱形で、黄橙色の葯が黄な粉をまぶしたようについている。その手ざわりは粗雑な太い線香に似ているようにも思う。

自然が遊び場だった子供の項、この野草の花穂をスポッと引き抜いた茎先に唇をあてがい、草笛にして吹いて遊んだものだ。

草木の花や茎、葉っぱが遊びの材料であり、幼い創造性を育ててくれ、良き教材でもあった。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月
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