スズメノカタビラ (いね科)

年明け早々に上水堤の樹木の根元で、スズメノカタビラが花を咲かせていた。いたいけないほど小さな株だったが、着物の襟を重ね合わせたような小さな花穂を寒風に震わせていた。

スズメノテッポウと並んで世界の至る所に分布しているイネ科の道草の類で、飛行機を乗り継ぎ30時間もかけてたどり着いたナイロビ空港の駐車場で、最初に目に入ったのはこのスズメノカタビラだった。「な〜んだ!日本と変わらないじゃない」と、緊張感がほどけた思い出がある。

スズメは小さいことを意味しており、カタビラ(帷子)は単衣(ひとえ)の着物のことで、花穂が帷子の襟に見てとれないこともない。古い時代に麦類の栽培とともに各地に帰化した植物とされている。

繁殖力が盛んで地にへばりついて群落をつくるので、畑地では除去に追われてきた。平たい茎の根元で多数に分かれて株になり、細い線形の葉は先は急にとがっているので、素手で引っ張って指先を傷つけた経験のある人も多いだろう。

寒中から夏まで茎の先に淡緑色の3〜5ミリの小穂をつけ、踏まれてもめげない強さに驚くが、上水堤ではあまり目立たない。。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月
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