スミレ (すみれ科)



山路来て何やらゆかしスミレ草 松尾 芭蕉

久右衛門橋下流右岸で付近には珍しいスミレに出会った。植物図鑑にも単にスミレとして紹介されており、その名の由来とされる「墨入れ」の形を思い起こさせる花姿で貴夫人然と立ち、辺りに魅力を振りまいてた。

墨入れは大工さんが用材に直線を引く時きに使う道具で、目にする機会が少なくなって久しいが…懐かしい。

スミレはアジア東北部に広く分布し、日本でも北海道から九州までの広い地域に自生。人里に生育するスミレとして馴染み深い。

道端や草地、堤防などに生育しており、アスファルトの割れ目にも時折り見かけるなど生育範囲は広い。春に農紫色の花をつけ、葉は長楕円形で細長く、縁に鋸歯が認められる。

このスミレは独特の繁殖をするそうだ。春には花粉を媒介として種子を形成するが、他の品種の花粉とも交配して多用な遺伝子を持った種子を生む一方、それ以降の季節では花を閉じたままで種子を形成するので独自の種の繁殖も行うという。

効率的で融通のきく習性が備わっているチャッカリ屋さんでもある。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月
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