スイセン (ひがんばな科)



水仙の花びら氷りゐたりけり  長谷川 櫂

20〜30年ぶりの大寒波に見舞われた06年の年明け早々、貫井橋上流右岸の陽だまりでスイセン(日本水仙)の開花株を見かけた。

フェンスに阻まれて近づけないが、花茎の先端に6〜7輪の花を付けていた。花の中央のお椀型の副花冠が通常の黄色でなくて白いのが珍しい。図鑑によるとガリル種という品種のようだ。

スイセンには主に黄色の花冠を付けるラッパズイセン系統と白い小ぶりの花冠の日本水仙系統がある。どちらも原産地は地中海沿岸とされ、シルクロードを経て中国に渡り、平安時代頃に日本に渡来したとのこと。

海流によって運ばれたのか越前岬や下田、淡路島など沿岸地域に大群落があるのは有名だ。

日本水仙系は白い花被が6枚、その基部に花弁が6枚つながったお碗の形をした副花冠、手前に3本奥に3本の雄蕊、中心に1本の雌蕊からなる。副花冠は径約1センチで、強芳香を放つヒガンバナ科の球根植物だ。

古くから栽培もされ、園芸品種も多いので上水堤には付近の住宅地から遠征したり、持ち込まれたのが根付いたのではないかと言われている。厳冬の堤にささやかな彩りを添えてくれている。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月
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