スベリヒユ (すべりひゆ科)

赤紫がかった茎が地に這い厚ぼったく光沢のある葉に特徴があるスベリヒユにも久々に出会った。

上水堤に隣接した大けやき道の舗装の割れ目から這い蹲って小さな黄色の花が初秋の陽射しを仰いでいた。5弁の花の径は5~6ミリで日陰では閉じている。

以前は路傍や畑のへりなど至る所で見かけたスベリヒユだが、上水堤周辺で出会ったのは初めてで、“やあ、しばらく!”と声をかけたくなった。

図鑑によると史前帰化植物でいわゆる雑草の類だが、古くは食用にもされたそうで、湯がくと粘液が出ることから滑り莧の名称がつけられたとのこと。莧(ひゆ)とはヒヨ・ヒヨコやヒナと同様に小さく愛らしいことを意味している。

ところが、乾燥地にも生息していけるように葉茎がサボテンなどと同じように肉厚で、夜間にCO2を取り込んで日中に還元してCAM型光合成植物の一種だそうだ。

そのメカニズムは難しいが、生命力が旺盛で温暖化にも強く別名はヒデリグサ。マツバボタンやポーチュラカ(ハナスベリヒユ)と同属である。

花 期
春 3~5月 夏 6~8月 秋 9~11月 冬 12~2月

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