シラヤマギク (きく科)

8月末項から月にかけて、秋らしい気配がただよい始める上水土手の林の中で、野菊かなと思われるが、1つの花の花弁の数が5,6枚と少ない白色の花が咲き始める。

ノコンギク、ユウガギクの花に比べ、花弁の数の少ないことが歯の抜けたようなわびしさを漂わせるが、観察するにつれ朴訥で、原始的な姿に親近感をおぼえる。

菊の種類は地下で横走枝を出して、群落をつくって花を咲かせているのが多いけれど、この野菊は横走枝をあまり出さないから点々と咲く感じとなる。

草丈1m前後、三角形状の葉も数少なく、その姿は一抹の寂しさを感じさせ、秋の風情に合うように思う。

シラヤマギク(白山菊)は北海道から九州、朝鮮・中国に分布する多年草。山地の草原や道ばた、明るい森林中に生育し、8月頃から茎を出して生長し、高さ1〜1.5mになる。茎の上部は枝分かれし、散房状の花序を形成して、ややまばらに頭花をつける。

春の若芽はヨメナ(嫁菜)に対してムコナ(婿菜)と呼ばれ食用にされるそうだ。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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