シラン (らん科)

「この花の名前知ってる?」「知らん」「シランを知らんの?」
こんな言葉遊びが懐かしいシラン(紫蘭)。ラン科シラン属の宿根草だとは知らなくても、この赤紫色の花は民家の門先や庭園でもよく見かける。ランの仲間では最もありふれ栽培もしやすい。

5〜6月、上水堤でも住宅地に接した辺りでよく目にするだけに、カメラを向けることがなかった。ある日、開花したばかりの初々しい花を撮ってみたら、唇弁の先が細かなフリル状になって、その繊細さ驚いた。

花はトキソウや大輪トキソウに似ているが、茎先が分岐して数個の花をつけるのが特徴。

元は日本、台湾、中国原産の地生ラン。草原の日向などに自生する野草でラン科にしては珍しく丈夫で、多肉で偏球形をしている地下茎の最頂部から茎を出して花をつけ、地下に新球茎を作って殖えていくので放置しておいても育つそうだ。

また、種子もラン科としては異例に発芽しやすく、普通に鉢に播くだけで苗を得られる場合がある。

だが、野生のものは準絶滅危惧種で、栽培種と交配している例も多く、本来の自生種かどうか…危うくなっているとのこと。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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