秋の気配が漂い始めた上水木立で、ひそやかにシラハギが揺れていた。 枝垂れた先に白磁質の花をまばらにつけていた。マメ科のハギ仲間特有の蝶形の花がふっくら。蝶形花は中央に旗弁1、翼弁2、舟弁2の5枚の花弁から蝶の形になっている。
シラハギ(白萩)シロバナハギとも呼ばれ元来は朝鮮半島の自生種と言われるが、古くから日本各地で栽培されている草状の落葉低木。 ミヤギノハギの変種とも、「ニシキハギの栽培品種」(牧野図鑑)とも言われるそうだ。
赤紫系の花をつけるハギ仲間より花弁は大きめで、稀に花弁の基部が紫がかっていることも。
上水堤では株が幼いのか茂るほどではないが、古刹などで見るシラハギが風に揺れている様は“萩の波”に相応しい。 果実は種子を1つだけ含み、楕円形で扁平だとか。