シモバシラ (しそ科)

かつて高尾山で枯れ茎の根元に結晶した霜柱を見たことがあった。茎によって様々な形に結晶して氷の芸術を楽しませてくれた。

シソ科の多年草シモバシラは初冬に地表部は立ち枯れるが、地下茎を地中深く伸ばして活動を続けている。

地上が氷点下に下がると、根茎で吸い上げた水分が毛細管現象で枯れ茎にも伝わり、その水分が結晶して氷の芸術を生み出すそうである。

霜柱のような氷の結晶を見せることがシモバシラの由来であるが、春になると新芽を伸ばし、夏にかけて草丈は40〜70センチになり、シソ科らしい縁に鋸歯のある葉をつけ、9〜10月に立ち枯れた茎からは想像できない白い小花を穂状につけて開花させる。

穂のサイズは5〜8センチで、5〜8ミリ径の唇型の小花も雪のように白く愛らしい。上水沿いでも図鑑で見る通り小花がぎっしり縦に並んで葉陰に咲いていた。

毛細管現象による氷の結晶は他のシソ科やキク科の植物でもみられるそうだが、シモバシラの霜柱ほど顕著ではない。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月
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