シマスズメノヒエ (いね科)

一橋大学国際キャンパスの敷地内で垂れた穂に黒い虫が無数にたかっているようなグロテスクな野草を見かけた。数日後、小金井橋下流の上水右岸でも同じ野草に出会った。

草丈は50〜60センチ、葉は1センチ幅くらいの線形、細長い茎は先は数本に枝分かれして、その先に10センチ内外の細長い穂をつけているが、黒蟻がびっしりたかっているように見える。

インターネット『草花の名前お尋ね掲示板』に問い合わせた結果、南アメリカ原産のイネ科多年草のシマスズメノヒエとのこと。

在来種のスズメノヒエに似ているが1915年小笠原諸島で初めて発見されたので、島雀の稗の和名がつけられたそうだ。乳牛用の暖地型牧草として栽培され、関東以南、四国、九州の暖かい地域で野生化しているのが見られ、現在では世界中の暖地に帰化している。

一見グロテスクな穂にはその名のように稗粒状の丸みをおびた小穂が3列に並んで、一粒一粒に黒ゴマのような葯をピラピラさせて奇妙この上ない。葉や葉鞘にも産毛がたくさん生えている。

近似種にアメリカスズメノヒエがあるが、アメリカ・・・の方は穂が垂れず上向きとのこと。花期は8〜10月。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月
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