センリョウ (せんりょう科)



千両の一粒づつに弥陀の雨   篠原二歩
万両と十両(薮柑子)には上水堤でもよく出会ったが、センリョウ(千両)には2009年正月3日、鎌倉橋上流左岸で初めて出会った。近くの上鈴木稲荷神社に参拝した御利益だろうか…?

万両と薮柑子に比べて千両は赤い実を対生した葉の上に群がりつけるため華やかで、民家や庭園では千両の方が多く植えられ江戸期以来の栽培歴も長い。

万両と薮柑子はヤブコウジ科だが千両はセンリョウ科の常緑小低木で、日本では南関東・東海地方〜九州・沖縄の林地に生育。高さは50〜100センチ。花期は6〜7月で、茎頭に穂状花序をつけるが目立たない。

花には花被がなく、雄蕊は雌蕊の側面から直接伸ばす変わりもので、被子植物にも関わらず維管束の木部は導管でなく、裸子植物同様の仮導管から構成された原始性が特徴だとか。

また千両は葉の上の方に実をつけるので鳥に食べ られやすく、万両は葉の下に実をつけるので 食べられにくいとも。

名前についても一説には万両の実は垂れ下がり、千両の実は上向きにつくので万両より軽いから値千金で千両。これらより背丈の低い唐橘は十両、さらに寸足らずの薮柑子は十両で、アリドオシ(蟻通し)は一両と、こじつけにしても面白い。
花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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