サルトリイバラ (ゆり科)

桜吹雪の頃、旧小川水衛跡のフェンス際で、サルトリイバラが周囲の草木に巻きつきながら花を咲かせていた。

淡い黄緑色の花が房状になって開花していても、周囲の新緑と同系色で見分けがつきにくい。何度か足を運んでやっと花を撮影することができた。

ひょろひょろした茎の所々に節をつくり、そこから巻き髭を伸ばして、近くの植物などの枝茎にフックをかけるようにして安定をはかりながら花柄を傘の骨状に広げ、その先に花をつけている。6枚の花被片はクルリと外側に反り返ってリボンフラワーのようだ。花の大きさは5ミリ前後であろうか。

サルトリイバラは北海道から九州、朝鮮・中国・インドシナなどに分布している蔓性の落葉低木で、茎には少し曲がった棘がある。長円形の幼葉は赤味をおびているが、生育するにつれハート型の艶やかで若緑色になる葉は、関西では柏餅の葉に代用されている。

曲がりくねった茎と棘、巻き髯には猿でさえ足を引っ掛けそうなイメージから猿捕り茨の和名が。俗称のサンキライ(山帰来)で呼ばれることも多く、その赤い実はドライフラワーとして用いられている。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月
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