オシロイバナ (おしろいばな科)

オシロイバナのようにありふれた園芸植物までリストに加えるのは抵抗があったが、野生化しているとも伝え聞いて図鑑などで調べたら、知らないことがいっぱいあって…。

直径2〜3センチのラッパ型の一日花を初夏から秋半ばまで、長く順次開花させるオシロイバナ。メキシコ原産の多年草だそうだがペルー原産説もある。

いずれにしても日本に渡来したのは江戸時代で、黒く熟した鼻くそのような種をつぶすと白粉(おしろい)に似た質感の澱粉を含んでいることがオシロイバナ(白粉花)の名前の由来。名づけたのは『養生訓』で知られる江戸時代の博物学者・貝原益軒とのことで、ヒェーッと驚いてしまった。

目の覚めるような紫紅色、黄色、白の他に各色の斑入りなどの花は見飽きるほど目にしているが、種の中まで調べたことがなかった。

夕方に開花するので夕化粧の別名もあり、そこから白粉が連想されたとも言われる。夕方頃に活動する昆虫には花の多彩な色で引きつけ、夜間に飛翔するガなどの昆虫には、その香りで引きつけるとか。“脂粉の香り”を振りまくマダムや女将みたいに。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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