オニスゲ (かやつりぐさ科)

ウツギ仲間の白い花が咲き始めると、上水堤はすっかり夏に模様替えして、野草たちも我先に伸びようとして“戦国時代到来?”の感がする。

丈高になった下草ジャングルの中でオニスゲが細い剣状の葉茎の先端部に花穂をつけていた。

オニスゲは低地から山地の湿地に生えるカヤツリグサ仲間の多年草で、果実が他のスゲに比べて大きいことから鬼菅の名前になったそうだが、その果実がミクリ(実栗)に似ているのでミクリスゲの別名も。

通常は茎の上部に小穂を3個つけ、最上部のほっそり伸びたのが雄花穂で、下部の二つが雌花穂らしい。その雌花穂から糸状の髭を多数出している時期に巡り合わせた。

もやもやした髭にくるまれた雌花穂からは鬼と名のつくスゲとは思えない可愛さが感じられた。

果嚢がふっくらして中に空気を含んでおり、その浮力で水に浮かびながら種子を散布するので、水べりや湿地に適しているそうだ。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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