オミナエシ (おみなえし科) 

全国の草地や林縁のありふれた植物であったが、近年は少なくなった植物の一つオミナエシ。

上水堤でも数株見かけるにすぎないが、夏から秋にかけて茎頂部に黄色の粟粒のような小花が傘を広げたように群がり咲いている。

秋の七草の一つとして万葉の時代から有名で、オミナは美しい女性を意味し同属のオトコエシ(男郎花・米花)と対比して、優しく頼りなげな風情から漢字では女郎花と書き粟花とも称される。

草丈は80センチから1メートルで、その所々に鳥の羽状の葉が対生している。花の径は約4〜5ミリ。

上水の木立をバックに多数に分岐した細い茎の先端に、粟粒のような花が群がり風にそよいでいると、古今集に納められている藤原時平の詠んだ「「女郎花 秋野の風に うちなびき心ひとつを たれによすらん」の歌が偲ばれ、秋の気配もそこはかと。

漢方では干した根を利尿剤として用いられるそうだ。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

     50音目次へ

Copyright (c) 2005-上水事典サイトの会