オカトラノオ (さくらそう科)



トラノオのその先霧の粗く飛ぶ  宿好
その咲く様が虎の尾に見立てられて名前がついたという。多数の白い小さな花が密になって総状花序となり、その勇壮な姿を作っている。

草丈70センチ前後に伸びる一本の茎の頭に、白い房となって垂れ下がった花穂は、上水の土手を彩って咲く野草の中でもひときわ目立つ。

ある年の夏、白馬岳山麓の登山道の両側に、山に上る人を歓迎するかのように群生しているオカトラノオに出会った。波打つが如き白い花穂の中に身を沈めて、その美しさに見とれながら大気を胸いっぱいに吸い込んだ。

上水堤でもここ数年オカトラノオの群生が見られるようになった。桜橋〜一位橋右岸の自生野草保護ゾーンの群生は近隣にないオカトラノオのサンクチュアリだろう。独特の虎の尾っぽを見ることができるのは楽しい。

花の咲き始めはピンと立っている穂も、下から上へと白い小花が開花していき、最盛期近くなると花房の重みで傾き、優しい曲線を描く。そして雄々しい白い尾となる。


花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月

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