ノイバラ (ばら科)



野薔薇咲き万葉よりの鮎どころ 大島民郎 
初夏の日差しが感じられる頃、上水堤の茂みの中でおしくら饅頭でもしているようにぎっしりオフホワイトの小花を輝かせているノイバラ。

そこはかとなく甘い香りが漂い、蜂や小さな昆虫たちが群がっている。

全国に広く分布している野生のバラの代表で、茂った葉柄や枝には鋭い棘が無数にあり、茨があるので野薔薇と書いてノイバラと称されている。

被針形の反り返った萼片もチクチクする毛が密生しており、いかにも野性的である。
花は5枚の花弁の中央に沢山の雄しべがあり、その頭の葯がアクセサリーとなって、一つ一つ見ると、園芸品種にはない素朴さと愛らしさがある。

落葉低木のつる性で、秋には偽果と称される実をつけ、紅色に熟する。

この花を見るとゲーテの詩による有名な『野薔薇』の歌曲を思い浮かべるが、歌詞に登場する童が見たのは紅の野薔薇で、別の野生種らしい。

花 期
春 3〜5月 夏 6〜8月 秋 9〜11月 冬 12〜2月
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