ノアザミ (きく科) | |||||||||||||||||||||||||||||
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花アザミ 蝶とまらんとして 高く 高浜 虚子 |
玉川上水を彩る野草の中からアザミ(薊)の花を除くことはできない。 上水に咲くのは春のノアザミと秋のノハラアザミだが、ノアザミの株が多く、清楚であでやかな花の姿は人目を引きつけ、蝶をはじめ多<の昆虫を呼び寄せ春を躍動させる。 ノアザミは摘草の項、地を這うように伸び、初めうずくまって小さな硬い蕾を抱えており、茎が立ち伸びるのを待ちわびているような姿を見せている。 筒状の花弁がたくさん集まったアザミの花を包んでいる総苞は、屋根瓦のように燐片が重なって並んで芸術的で、その形と色のコントラストが花の美しさをより強調させている。 葉は羽状に深く裂け、縁に鋭い刺を持つ。ノアザミの総苞は指でつまむとよく粘るが、ノハラアザミの総苞は粘らない。 ノアザミの咲く上水土手は武蔵野の原野への追想を誘う。 |
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